疲れた・・・
店は暇なので、体力的には、
疲れないが、
精神的にはボロボロ・・・
相変わらず、
「お勧めを!」
「・・・・」
初めて来て、
「お勧め!」
と、言われても、
サッパリ解らない、
で、説明するが、
結局、不機嫌になるか、
怒り出すか、
どうもこの「お勧め!」
と、言うのが居酒屋さん等で、
流行っているようで、
こう言うと、
如何にも通のように思われると、
本人は思っているようだが、
BARでは無理・・・
それよりも、
「初心者です」「解りません」
と、言ってくれた方が助かるのだが、
下らない見栄を張るので、
ややこしくなる。
お酒はアルコール、
お味噌汁を飲んで、
倒れる人は居ないだろが、
一杯のお酒で倒れる人は居る。
人それぞれに、お酒の強さが違う、
何故、それが解らないのか、
その方が不思議なのだが、
そして、居酒屋さんなら、
メニューの多い店でも、
100種類ぐらいか、
BARならウイスキーだけでも、
数百種類、中には数千種類と言う店もある。
そして、カクテルも数百種類、
何故、そんな数になるのか?
それは、一人、一人、好みが違うからだ。
お酒の強い人に出す。お勧めと、
ウイスキーを初めて飲む人に出す。
お勧めは違う、何故解らないのか?
そう言うと、今度は、
年配の方が「何やと!俺は今までどれだけ・・・」
と、なる。面倒くさい・・・
同じお酒を、今まで何ガロン飲んで来ても、
今は膨大に種類も増え、
その味わいも、多種多様している。
もう、20年前の数少ない時代では無い、
そして、すぐにアルコール度数の事を言うが、
ウイスキーは、その銘柄が持つ個性で、
飲みやすい、飲みづらいと、なる。
鮭の塩焼きと、鮒ずし、
同じく魚料理だが、鮒ずしを好んで食べる方は、
圧倒的に少ないはず。
その人の好みに少しでも合わせ、
たった一杯のカクテルでも、
美味しく飲んで頂きたい、
そう思い、一生懸命聞いているのだが、
そして、飲み放題で、
飲み切れないぐらい飲んで来た後か、
まだ、今日は一滴も飲んで無いか、
勧める物は違うと思うのだが、
いや、当然の話しなのだが・・・
初めて来た人では解らない、
何年も通われている常連氏なら、
傾向と対策は解るのだが、
と、注文を取るまでに、
10分以上掛かる。
まあ、この下町でBARをした私の責任なので、
腐らず、毎晩、説明しているが、
どんな名医でも、
何も説明せず「治して下さい!」
と、いきなり言われても、
「十二指腸潰瘍ですね、この薬を」
と、ならん・・・
その夜も「お勧め、お勧め」と言う男性に、
これぐらいは説明したのだが、
「じゃあ、解った。では、マスターの一番の
お勧めを!」
お後がよろしいようで・・・
チャカ、チャンリン、チャンリン・・・
落語かい!!
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