娘の挙式が近づいている。
ギターを持って恥ずかしながらも、
歌う事になった。
いつもなら何も気にせず、
ギターをケースに入れて、
フラッと式場に、
まあ、今まで一体何人の前で歌ったのだろう、
それが娘の事になると、
こう歌おうか、ああ歌おうか、
弦の硬さを変えてみようか、
無難にした方がいいのか、
たどたどしくした方がいいのか、
考え出したらキリが無いのだが、
しかし一体、私は誰に憧れ、
ギター片手に歌うのだろうか、
???
いやいや憧れた方は沢山居る。
書き出したらキリが無い、
では原点は一体誰なのだろうか、
多分、フォークだと思うのだが、
アリス、中島みゆきさん、泉谷しげるさん・・・
いや、違う、
ふざけながらも真剣、
この人なのか、
多分そうだろう、
この世で死に別れても、
あの世で会える。
重いテーマをさりげなく歌う、
カントリーフォークの達人、
トークの神様、
「なぎら健壱」さん
私はこんな人になりたかった・・・
「永遠の絆」
「ロンダ・ビンセント」と同じくドブロギターが、
実にいい・・・
その「なぎら健壱」さんの言葉なのだが、
裏道を歩いていて、
「おっ、いい構えの店だな」と暖簾をくぐり、
気の利いた肴を突っついて盃を傾ける。
目の前にはすがれた店主。
その店主との会話がまた肴になる。
そうした店に居られるときが至福の時なのだ・・・。
なぎらさんは、
飲み手の神様でもあるのだ。