「はじめの一歩」と言う、
ボクシングアニメで、
昭和のヒーロー「輪島功一」が私の中で蘇った。
当時、TVでは完全無欠のヒーローが、
特撮ドラマ等で活躍していた。
そんな時代にボロボロのヒーローが居た。
そう輪島功一、
完膚なきまでに叩きのめされ、
泥酔したような足どりで、
マットをふらつき、
沈んで行く輪島・・・
しかし数ヵ月後、同じ相手と又対戦する。
もう、あかんてぇ〜、
負けるって・・・
幼き日、私は何故この男が、
又戦うのか不思議だった。
が、勝った・・・
又違う相手にKOされる。
しかし又対戦、
今度こそあかんてぇ〜、
が、勝った・・・
負けても負けても立ち上がる。
これこそが真のヒーローだと言う事を教えてくれた男、
故逸見政孝氏は言う、一度負けた柳済斗との第2戦の実況が、
アナウンサー人生で1番の印象だと、
その柳済斗に負けた時、
輪島にこう言った人が居る。
「あなたは人気者だから金はボクシング以外でも稼げるだろう」と、
その時「あっちむいてホイ」と言う必殺技を持つ、
不屈の男はこう言い返した。
「無くした金は諦めてしまえばそれで済みます。
しかし人間が意地というものを一度手放したら、
一生手元には返ってこない。
死ぬまで後悔することになるんです」
輪島功一
この言葉通り同じく元プロボクサー、
48年振りに釈放された。
袴田巌氏を輪島は支援し続けた。
そして待った。「袴田事件再審決定」の連絡、
輪島は言った「やった!15ラウンド最後のゴングだ!」と・・・
輪島は袴田氏のセコンドとして、タオルを投げ込まず、
ずっと戦っていたのだ。
諦めない炎の男は今も健在なのだ。