黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

木を見て森を見ず・・・

今年の漢字は「輪」
2007年は「偽」だったが、
後半はホテルの偽装問題ばかり放送され、
飲食業の私達にも暗い影を落とした。
私があの事件に敏感になったのは、


私達なら、もっとやりたい放題出来る。
例えば、よく解っていない人に、
これは凄いウイスキーですので、
本当はこれぐらいしますが、
大安売りのこの値段でどうですか?


等など、解らない人には解らない、
したがって解っていないと思われる人には、
本当にいいお酒であったとしても、
逆にお薦めはしない、
が、そう人に限って「お薦めを下さい」と、
必ず言う、


私の店は辺鄙な下町、
ミナミや新地のBAR等全く知らない方々が訪れる。
注文すら出来ない、と、言って怒っている訳では無く、
こういう物もありますよ、
お酒はお強いですか?
弱いですか?
それにあった物をお出ししますので、


と、言うと必ず、酒と言う酒は飲んで来たと言う、
が、アードベックも、ラフロイグも、
マッカランさえ知らない、
まあ、自分で言うのも何だが大変な仕事だが、
だからこそやりがいがあると、
自分に言い聞かせている。


ただ、信じて頂ければの話なのだが、
これがホテルが言えば、手放しに信じるのだろう、
だから、騙されるのだが、


そして、何度も言っているのだが、
ウイスキー一杯の値段なのだが、
その店によって販売量の設定は違う、
本格的な店なら45ml
老舗等では60ml程入っているお店もある。


そして、30ml販売の店もある。
しかしこれは偽装でも何でも無い、
その店の方針なのだから、


以前もマスターの店のウイスキーは高いですね、
と、何度も言われた。
どこどこなら、幾らですよと、
あまり言われるので見に行った。


若い方がTシャツで、ウイスキーはポツポツ、
後は焼酎、
マッカランをストレートで」と言うと、
えっ!というような顔をして、
ロックグラスで出てきたが、


30ml販売のようだが、
ハンドメジャーでそれなりの格好をして注いでいたが、
ただの酒飲みのおっさんだと思っていたのだろが、
プロの目は誤魔化せない、
30mlも入っていない、
26ml、若しくは27ml、
確かにそれなら安いだろう、


メニューらしきものがあったが、
何ミリ販売かは書いていない、
それなら偽装でも何でもない、


お解かりだろうか?
700mlのウイスキーを、
30ml販売なら23杯取れる。
それを1500円で売ると、
34,500円の利益が出る。


700mlのウイスキーを
45ml販売なら15杯、
それを2000円で売ると、
30,000円の利益が出る。


どちらが儲かるかは言わなくても解る。
一杯の値段では無く、
一杯にいくらの数量が入っているかが肝心、
当店は45ml、しかもメジャーカップを使いお客様に見えるように、
お出ししている。
しっかり見てくれているのだろうか・・・


そしてお安いお店のTシャツバーテンダーに、
マッカランのシェリー樽って何ですか?」と聞くと、
「ワインです!」と元気良く答えてくれた。
間違いでは無いのだが・・・


知識、これも値段の一部なのでは無いだろうか、


木を見て森を見ずとは、
実に良い言葉だ。


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