黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

幕末の倭魂(やまとだましい) 「堺事件」  5

「襲い掛かる鳶衆達」

鳶職の道具「鳶口」でフランス兵を即死させた梅吉、
何度考えてもこの男、
馬と同じ速さで走り、
異国人を恐れもせず、大工道具で一撃即死させるとは、
恐ろしい人物ではないか・・・
しかし梅吉の大事な旗を奪ったのは、
盗賊フランスなのだ。


鳶頭の梅吉の鳶口で開戦した。
フランス兵対土佐藩士、
しかし土佐藩からすれば殺したと言えど、
町人、鳶の仕業、侍は先制していない、
土佐藩主の命で確か先制攻撃は許されてなかったはず、
が、フランスからすれば、そんな身分制度の区別等つかない、
一撃必殺の恐ろしい殺人兵器を持ち、
馬のような速さで走る男が襲って来たのだ。



ボートに戻ったフランス兵達が、
拳銃で一斉射撃に出た。
ついにその時が来た。
青年隊長 箕浦、西村、
両隊長の「撃て!」の号令が響き渡り、
七十余挺の銃口を並べ、フランス兵に応戦、
バラバラと倒れるフランス兵、



必死に逃げ惑うフランス兵、
海に飛び込む者、ボートを掴み、
足で漕ぐもの、
完全なる戦場なのだが、
この時、「大岡昇平 堺港攘夷始末」では、
多くの鳶衆が鳶口一本でフランス兵に襲い掛かったと、
何たる男達だ。拳銃に鳶口で向かっていくとは、
相手は材木では無い・・・


私は大事な旗を盗まれた梅吉の暴走だと思っていたが、
これを読むと鳶衆達には、完全なる殺意を感じる。
それだけ長年、諸外国には腹立たしいものがあり、
それが一気に爆発、
想像するに完全なる修羅場・・・


確かに海中から上がった死体の死体検案書を見ると、
鳶口で殴られたであろうと思われる痕が多々ある。
ある文献では鳶衆が10名又は20名が連行されたともある。
しかし全員お咎めは無い、


と、なると正確には土佐藩士と鳶衆達とフランス兵の堺港攻防戦となる。
暫くして遠ざかるフランス兵、
そこに杉が現れ、戦闘を止める。


これが「堺事件」なのだが、
これは「堺事件」の幕開けに過ぎない、
フランス兵の死者十一名・・・
これは土佐藩だったからだと私は思う、
攘夷と言う事もあるが、
やはり国際法で戦った龍馬が居る。
その影響が少なからずあると思う、


そして事件は日本人なら、心に留め置かなければならない、
壮絶なクライマックスへと向かっていく・・・


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