黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

BAR での乾杯

乾杯がBARで駄目な事を以前書いた。
意外と知られていない、
書いたその日も、バカラでカチ〜ン、、、冷や汗が出た。
一つ割れたら、その日の売り上げは飛ぶ、、、
これは、グラスの接触で、グラスが破損するだけでは無く、
慌てたお客様が、怪我をする危険がある。
だから、「乾杯はご遠慮下さいと」告げる。
これは、別に自慢をしているのではない、
お店からの心遣いなのだが、


当店のような、下町になると、
「何であかんねん!」の連続である。
BARは文化だ。と、言う事を思い知らされる。
もう一つ、問題がある。
「乾杯待ち」、これが最悪だ。


居酒屋などでは、出来合いの物を使うので、
直ぐに出て来るだろうが、
BARは、と、言っても本格的な店では、
やはり丁寧に、生のフルーツから作る。
それなりに、時間が掛かるものだ。
5名程で来られ、別々の物をオーダー、
全て揃うまで、待たれている。


これでは、カクテルが台無しだ。
大箱の大きな店なら、兎も角、
小さな当店のような店でされると、
どうしょうも無い、作り手は一人だ。
カクテルは出来上がりが命、
例えば、これ!

これは当店の自家製「グレナデンシロップ」で作った。
「ニューヨーク」と言うカクテル、
上に浮んでいるのは、ハードシェイクによる。


「細氷」これにより、食感というものが、カクテルに加わる。
一口目の味わいが変わる。
この「細氷」が、いいか悪いかは賛否両論あるのだが、
これを「乾杯待ち」では氷が溶ける、、、水っぽくなる、、
と、言う訳だ。
そしてこれ!

「マスカット・フローズンダイキリ


そう、フローズン系のもの、
これもお解りのように氷が溶ける。
ある程度、順番は考慮して、お出しするが、
カクテルの名前は良く知っていても、
「乾杯待ち」をすれば、
これでは、「論語読みの論語知らず」となる。


マティーニ」等もそうだが、グラスを持ち上げ乾杯!
こぼれる、、、
こういう場合は、一口飲み、グラスを持ち上げる。
その時、グラスに顔を近づけ、犬飲みのような飲み方は、
基本、マナー違反ではない、


しかし、最近こういう事を教える店が少ない、
言えば、お客様が減るという、小さな概念に囚われているからだ。
当店とて不景気だ。言いたくも無いのだが、
それでは、BARや洋酒の本当の楽しみ方は普及しない、
逆に大きな意味でお客様が減る。


確かにこう言う事を、こちらは親切で言っているつもりなのだが、
怒られた。注意された。になる。
自分が、よそで恥をかくだけなのだが、
今でも、小さな店では何名以上お断りの店もある。
男性専用の「スタッグバー」なるものも、存在する。
これは色んな意味があるが、女性の香水もその一つだ。



女性の香水、寿司屋でもタブーだ。
隣に外国製の強烈な香水を付けた女性が座ると、
鰆とヒラメのエンガワ、
あまり違いが解らなくなる。
ウイスキーも同じだ。
それとお喋り、
「BARでは声低く語れ」と言われる。
周りのお客様への迷惑なのだが、
BARは、ボトル、グラスが多く並んでいる分、
高い声は共鳴し易い等の理由だ。


BARは酒を飲む所では無い、
酒を楽しみ味わう所なのだ。
酒を味わうには、それなりの集中力もいる。
故に音楽を掛けていない店もある。


他にもマナーはあるが、又、次の機会に、
マナーとルール、これさえ解れば、どこのBARでも恐くない、
BARで最も駄目なのが、
「俺は客だ!」である。
周りも全てお客様なのだ。


最後に、橋下市長当選おめでとうございます。
以前、TVで言われていた。
国への批判の中で、
「ぼったくりBAR」なる表現は、
今後、止めて戴きたい、ぼったくりの代名詞が、
BAR、、、悲しい話だ。
そのBARで税金を納め、
家族を養っている人達は沢山いるのだ。