黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

アンテナ 1

昨日、賢い人間は、
人のいい所だけを盗み、
すぐに独立すると書いた。
私には、色んな職種の弟子がいるが、
中でも、ずば抜けて仕事が出来た男がいる。
これだ!

当店のすぐ近くに店を構える。
「アンテナ」
BARでは無い、美容室だ。
その店主、
ヒデヤ、苗字は「神足」と書いて、
コウタリと読む、
当店のオープン前、
内装工事に、6ヶ月ほど掛かったが、
文句も言わず、手伝ってくれた。


今は道具が大概はあるが、
当時は無い、
先日、金髪が、カウンターを磨いたが、
それは、サンダーを使った。
ヒデヤは、サンドペーパーを握り、
一週間掛けて、
手で磨いた。
今から考えると、
恐ろしい事だ。

出会いは、20年程遡る。


私が、30歳、彼は、16歳だった。
当時、私はあるBARの店長を任されていたが、
時々、北新地にあるクラブディスコのオーナーに頼まれ、
ヘルプのバーテンダーとして、
働く事があり、一緒になった。
若いのにテキパキと動く、
このテキパキが、水商売では大事な事だ。
若い人間が、テキパキと動くと、
気持ちが悪い人など、いない、
そして、大事な事は、
上の者は、その場所を離れなくて済む、
仕事に専念でき、
一種の風格のような物を生み出す。
相乗効果なのだ。
金髪は、女性がいる時だけテキパキ動く、、、


これが、若い人間がダラダラすると、
上の人間が、バタバタと動く事になる。
値打ちを下げる事となる。
しかし、生まれながらに、
天賦の才があるのだろう、
ヒデヤには怒った事が無い、
本人も、私は怒らない男だと、
今も思っているらしい、
怒る理由が無い、
言われた事を、常にそれ以上やる。
早くから来て、
しかも、何時間も、
丸氷も、早く、美しく削る。
私には無理だ、、、


そして、営業を掛け、
売り上げてくれる。
当時は、今の売り上げの4倍近くあった。
しかし、本人はまだまだと、
嘆いていたが、それ以上は私も望まなかった。
その男の店も、早、5年になる。
     つづく、、、
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