黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 臆病者、飲むべからず!

ついに来た!
入荷しました。
アードベック コリーヴレッカン 57.1度

恐ろしい酒が登場した。
アイラの荒ぶる魂を力強く再現したという
コリーヴレッカンとは
アイラの渦巻く海峡の名前だ。
だからラベルに渦が描かれているのだ。
キャッチフレーズが凄いのだ「臆病者、飲むべからず!」なのだ。
高圧的且つ挑戦的な態度、し、渋い、、、
見つけた時には涙が出そうだった。
忘れていた大事なものを思い出したのだ。
これだ!一瞬で買った。
この態度だこの姿勢だ。
媚びへつらわない
気持ちいいではないか
君に飲めるか?君に分かるか?
問いかけて来る。
酒が問いかけているのだ。
魂というより生命を感じる。
脈打っている。鼓動が響く!
思わず叫びたくなる衝動を抑えた。
昼間に酒を見て叫ぶのはかなりおかしい
いあー長い不景気の中ではこういう酒は
なかなか購入し難いのだ。
やはり飲める方が少ないので売り切るのに
時間が掛かるのだ。デットストックになりやすい、
小さい、小さい、小さい なんて小さい人間なんだ。
不景気は恐い人間の器も小さくする。
以前は何も考えずにバンバン買っていたのだが
ためらうのだ。
2010年のアードベックスーパーノヴァも60度
と言うことで
パスしてしまった。
まさに「臆病者、飲むべからず!」なのだ。
参った完敗だ。ガンガン押して来ている。
怯まない媚びない姿は美しいのだ。
こういう話を読んだことがある。
かなり昔アメリカだったか忘れたが
ある雑誌の表紙に「この号買うな!」
と大きく書いたところ爆発的に売れたと言う
逆説論理学 パラドックスなのだが
同じようだがこの酒は違うだろう
自信満々なのだ。
満ち溢れている。
早く飲みたいが当店の方針でバージンショットは
お客さんに権利がある。やはりお客さん優先なのだ。
その一杯が出ないと私たちは味見が出来ないのだ。
さあ猛者よ!挑戦者よ!
扉を開けてくれ!
臆病者が飲めない酒を飲もうではないか?
少し涼しくなって来た。
一年中でもっともシングルモルトが美味しい
季節の到来なのだ!今がいいのだ!