黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 YUKIGUNIに会いに・・・2

60年の年月、今もなお愛される。

スタンダードカクテル、

「雪国」の創作者、

92歳の現役バーテンダー

 

井山計一氏の半生を描いた。

ドキュメント映画、

「YUKIGUNI」を観る為、

大阪は、梅田の地に降り立った。

 

まあ、ドキュメント映画なので、

ストーリー仕立てでは無いが、

同じ道を歩く者として、

言葉の重みが胸を刺す、

 

一番は子供さん達の事、

バーテンダーとは言え、

やはり水商売、

水商売の子として、

 

悲しい思いをさせたと、

確かに文化レベルの問題だが、

私も単なる飲み屋の兄ちゃん、

が、バーテンダーは長く続けられれば、

 

新聞にも載る。

こうして、映画にもなる。

黄綬褒章を頂いた。

バーテンダーも居られる。

 

しかし、世間の目は冷たい、

まあ、そんな事を知る人は、

殆ど居ないのが現状なので、

仕方ない事である。

 

二つ目はお孫さんの事に、

触れていたが、私も数日前、

お孫さんは可愛くて、

目に入れても痛くないでしょう、

 

と、お客さんに言われたが、

絶対に痛いし、

まず、孫を目に入れる人は、

居ない・・・

 

まあ、それは良いのだが、

可愛いのは、可愛いのだが、

少し違い、やはり、

こういう夜の仕事で、

 

娘達に構ってあげられなかった事を、

孫で罪滅ぼしのような事を、

しているのだろう、

と、ほんとに、つい先日、

 

思ったばかりだったが、

同じ事を、映画の中で、

娘さんが言っていたのを、

聞いて、実に共感した。

 

三つ目は、同じくバーテンダーで、

喉頭がんを患い、

機械を喉に付けて、

話されている方が出ていたが、

 

井山氏に教えて貰った一人の、

ようだったが、その手術で、

肩が・・・と、

言われていたが、

 

驚いたのは、シェイキングだが、

実にパワフルな振り方を、

披露されていた。

と、私の振り方に、

 

良く似ている。

が、時折、手首を使って、

シェイカーにかなり、

ひねりを加えておられた。

 

と、そのシェイクの長さ、

私には、恐くて真似が出来ない、

尺、時間が長いのだ。

しかし、凄まじいエネルギーを、

 

放たれ、感じとれた。大病からの復活、

正にそれだと、私は思う、

私も実に辛い病だが、それを理由に、

怠けてなかっただろうか、

 

いや、怠けていた。

改めて、一杯入魂の大事さを、

思い知らされたような気がする。

いやいや、何もかも怠けていたと、

 

92歳のバーテンダーに比べれば、

いや、もう全てがそうなるだろう、

しかし、92歳で見る。

カウンターからの景色、

 

どんなものだろうか、

全く想像も出来ない、

私はただの青二才である。

まだまだお元気で頑張って下さい!

 

色んな事を教わり、

元気も頂きました。

ありがとうございました。

古いからと言って、

 

決して間違っているのでは無い、

 バーテンダー 坂本雅央

        終


映画「YUKIGUNI」 予告編( 2019年公開版)