黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さなジガーBAR「BARin」の日記 

最も暇な時・・・

商売は、ニッパチと言って、

2月と8月が最も暇だが、

やはり、8月より2月、

何十年もやって来たが、

 

 

売り上げが上がった事が無い、

そんな2月の給料日前が、

最も暇な週になる。

今がそうなのだが、

 

 

屏息して、時が流れるのを、

待とうと思ったのだが、

偉い事に・・・

何気なくオークションを覗くと、

 

 

な、何だこれは?

久しぶりに驚いた。

どこかのBARの方が、

閉店され、一気にレアボトルを、

 

 

放出されている。

しかも、数が凄い、

少し寂しさを感じるが、

今なら、この方がお金にはなる。

 

 

店で売ったら何年も掛かるが、

一瞬で売れ、おまけに店で売るより、

遥かに高い金額で落札される。

今まで何をして来たのだろうと、

 

 

空しくなる。高い物は、

極力、値段を下げて、

中には、原価で出した物も、

多々ある。

 

 

で、その方のラインナップを見ていたら、

あれも持ってた。

これも持ってたの連続、

それが今や50万や、30万に、

 

 

バカバカしくなって来る。

が、人生はやり直しがきかない、

ので、仕方ないのだが、

転売屋になっていたら、

 

 

今頃、余裕の人生を送っている。

が、バーテンダーの端くれとしての、

プライドが邪魔をした。

と、商売ベースの考え方も、

 

 

性に合わない、

まあ、それは良いのだが、

かなりの数のボトルが出ているが、

多くは手の届く金額では無い、

 

 

時間を掛け、精査した結果、

一本、ここ数年、ずっと探していた。

ボトルが、電気が走った。

そうか、ここで見分けるのか、

 

 

と、一瞬で、

娘達との思い出が、

込み上げて来た。

絶対、落とす・・・

 

 

これに気付く人は居ないだろうから、

きっとお安く手に入る・・・えっ、入らない・・・

一人、気付いている。

まさかの大乱闘、大混戦、

 

 

いつまでも食い下がって来る。

まさかの予算オーバー、

だが、この人、私と同じ事を思っているのか、

それなら、実にお会いしたい、

 

 

話してみたい、

あなたも頑張れ!

妙な友情のような物が、

芽生えた。

 

 

ストックホルム症候群か・・・

が、渡さない、

思い出を取られるような、

そんな気になり、

 

 

完全にムキになった。

延長一時間、まだ睨み合っている。

この金額を越えられたら、

流石にキツイ・・・

 

 

このボトルの可能性は高いが、

確証は無い、後1分、

入れないでくれ!と、心で叫んだ。

と、止まった・・・

 

 

落ちた・・・

勝った・・・

疲れた・・・

つづく・・・