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黄昏ウイスキー 

大阪は京セラドーム前の大人の小さなBAR「BARin」の日記 

天神祭りと泥の河 2

映画「泥の河」のワンシーン、

天神祭りでお金を落とす、

信雄少年、それを慰めようとする。

廓船の少年、喜一、

 

 

あれは、いつだっただろうか、

八坂神社のお祭りだったか、

夜店だったのか、

その記憶は曖昧なのだが、

 

 

お祭りや夜店がある時に、

誘いに来る友達が居た。

その友達は兄弟が多く、

今思えば困難な生活をしていたのだろう、

 

 

二人で出掛けるのだが、

私の家も裕福とは言えない、

が、少しだけのお小遣いを貰た。

多くの人がぞろぞろと歩いていた。

 

確か、小学校の5年生ぐらいだったか、

同じ年の女の子が浴衣を着ていた。

別人のように見えた。

当たるはずも無いくじ引き屋さん、

 

 

案の定、外れ・・・

が、友達が、

「おしい!後一つやん!」

と、大きな声を出した。

 

いつも、いつもなのだが、

その友達は見ているだけだった。

「やれへんの?」

と、私が聞くと、

 

「いや、俺ええねん」

と、下を向いて答えた。

輪投げ屋さん、

投げ輪を5つほど貰えて、

 

並んでいる商品めがけて投げる。

「お、おしい!」

「入ってるやんけ!」

いちいち友達が横で叫ぶ、

 

やっている私よりも必死なのだ。

最後の輪が一つ、

私はその友達に、

「やる?」

 

と、投げ輪を突き出した。

「ええんか?ほんまにええんか?」

まあ、そんなにたいそうな事でも無いのだが、

「ええよ」と、言った。

 

友達は、ギリギリまで近づいて、

狙いを定めている。

その時間が、な、長い・・・

私はいつも適当に投げていたのに・・・

 

 

投げた!

入った!

が、おばさんが、入り方が悪いと言った。

「何でやねん!」

 

 

食い下がる友達、

「入ってるやんけ!」

大声で叫んだ。

私は恥ずかしくなり、

 

「もうええよ」

「あかん、あかん入ってるやんけ!」

そのまま友達を引っ張り、

店を離れた。

 

帰り道も友達はずっと、

「あれは入ってるは、絶対!」

と、ずっと愚痴っていた。

私は、なら自分でやれば良いのにと思った。

 

 

自分でやれば・・・

自分で・・・

出来ないのだ・・・

お金を持っていなかったのだ。

 

 

そんな簡単な事に気づくのに、

えらい年を取ってしまった。

彼は自分が出来ない分、

私がするのを、さも自分がやっているように、

 

 

投影していたのだ。

なのに私は適当にしていた。

この年になり、この時期になると何度も思い出し、

思い出しては申し訳ない気持ちになる。

 

 

そして裕福では無いと、

これだけしかくれないのかと、

小遣いに文句を言った。

その事にも申し訳ない、

 

少しでもお金を持たせてくれた事に、

感謝すべきなのだ。

私の娘達も、子を産み、

もう少ししたら解るのだろう、

 

 

それは、それは必死なのだ。

それでも少しでも何とかしようと、

思うのが親なのだ。

と、言う事を・・・

 

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