黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

驚いた夜・・・ 1

給料日前々日、
まあ、暇だろう、
その前日も前半だけ忙しかったが、
後半は・・・
で、掃除や片づけをしていたので、


その日は早くから何もする事も無く、
座っていたら、
いきなりドアが開いた。
すると若者が一人、


ドアの所で、
「教えて下さい!」
と、頭を下げていた。
????


何を?
「美味しいカクテルを作りたいんです!」
「はあ・・・」


「着替えも持って来ました」
「はあ・・・」


まあ、どうせ暇だろうし、
一人で居ても淋しいし、
「いいよ」と、言ったがこの子は誰なんだ?


確か前に来た事がある。
その時、紙パックのオレンジジュースで作った。
適当なカクテルを他の店で飲まされ、
うんざりして、当店に来た。


私はオレンジを生で絞って作る。
まあ、当たり前の事なのだが、
カクテルはこんなに美味しいのかと、思ったと、
そして人は何故、そういう美味しい物を評価しないのだと、
安ければ何でもいい、
酔えたら何でのいいと言うこの町の大人が嫌だと、



若者がそんな事を言うので、
その時は半信半疑だったが、
本当に美味しい物を作りたいようだ。
まあ、こんな小さな町ではなく、
全国の話になると、私ごときでは何ともならないだろうが、


微々たる事で良ければ、教えますよ、
そういうと、ニコニコしながら着替え、
カウンターに入って来た。


「よろしくお願いします!」と、


では、まず・・・
えっ、漠然とし過ぎている。
何から教えたらいいのだ。
さっぱり解らん・・・


       つづく・・・