給料日前々日、
まあ、暇だろう、
その前日も前半だけ忙しかったが、
後半は・・・
で、掃除や片づけをしていたので、
その日は早くから何もする事も無く、
座っていたら、
いきなりドアが開いた。
すると若者が一人、
ドアの所で、
「教えて下さい!」
と、頭を下げていた。
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何を?
「美味しいカクテルを作りたいんです!」
「はあ・・・」
「着替えも持って来ました」
「はあ・・・」
まあ、どうせ暇だろうし、
一人で居ても淋しいし、
「いいよ」と、言ったがこの子は誰なんだ?
確か前に来た事がある。
その時、紙パックのオレンジジュースで作った。
適当なカクテルを他の店で飲まされ、
うんざりして、当店に来た。
私はオレンジを生で絞って作る。
まあ、当たり前の事なのだが、
カクテルはこんなに美味しいのかと、思ったと、
そして人は何故、そういう美味しい物を評価しないのだと、
安ければ何でもいい、
酔えたら何でのいいと言うこの町の大人が嫌だと、
若者がそんな事を言うので、
その時は半信半疑だったが、
本当に美味しい物を作りたいようだ。
まあ、こんな小さな町ではなく、
全国の話になると、私ごときでは何ともならないだろうが、
微々たる事で良ければ、教えますよ、
そういうと、ニコニコしながら着替え、
カウンターに入って来た。
「よろしくお願いします!」と、
では、まず・・・
えっ、漠然とし過ぎている。
何から教えたらいいのだ。
さっぱり解らん・・・
つづく・・・