長年に渡り、
私にコーヒーをご教授して戴いた。
コーヒーロースター「珈露 カロ」の
お父さんが引退される事になった。
あれは夏の終わりだった。
ああ、もう、あの珈琲が飲めないのか、
私はこの店に出会って、
珈琲を覚えたと言うより、
ウイスキーが飛躍的に解るようになった。
香り、そして酸味、甘味、苦味、
それら一つ、一つがウイスキーにあると同時に、
珈琲にもある。どちらも同じなのだ。
が、同様に奥が深い、
そして奥は細くなっている。
どんどん細くなって行く細道を、
歩いて行く上でこのお店は私にとってはかけがえの無いものだった。
そんな時、ふとあの店に行ってみようかと思ったら、
その店がTVで特集されていた。
何たる偶然・・・
その店は八尾市にあり、
珈琲通には有名なお店だ。
一杯は千円から、
しかし、三千円や四千円の珈琲が売れている。
勿論一杯の値段なのだが、
そしてそのお店の最高額の一杯の珈琲は驚愕の、
七万五千円・・・
当店のウイスキーが高い、高いと言う人達にもう一度言おう、
一杯の珈琲のお値段が、
七万五千円・・・
19年間樽で寝かせていると、
樽で寝かす?
まるでウイスキーなのだが、
珈琲なのだ。
どうなっているのだ。
特殊な冷蔵装置があるのだろうか、
いや、それ以上にその店のマスターの情熱が凄い、
自分の非力さを痛感した。
さあ、早く店に行って、
床を綺麗に掃除しょう!
珈露 カロさんの閉店に伴い、
暫しの間珈琲カクテルの販売を中止しています。
あしからず、
最後に珈露 カロのお父さん、
我が珈琲の師、
長年お疲れ様でした。
そしてありがとうございました。