黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

マッサン ウヰスキー

ニッカさんの表記はウイスキーは「ウヰスキー」なのだが、
さあ、ではウイスキーなるものは何か、
よく「美味しいウイスキー下さい」と言われる。


多分これからも言われるだろう、
これがBARの特殊な所で、
美味しい味噌汁や豚汁は誰でも美味しいだろうが、
お酒の美味しさはその人によって違う、


そして飲めるか、飲めないか、
味噌汁が飲めない日本人は少ないだろうが、
ウイスキーのような強いお酒を飲めない人は多々居るだろう、
これが大衆食堂とBARの違いなのだが、
それがどうも伝わらない、


美味しいウイスキーは誰が飲んでも美味しいと思われているが、
やはりNO!なのだ。
私とて若い頃は皆よくこんな物を飲むものだと思っていた。
苦くて強くて臭くて、
それを何度も我慢して飲んでいたら、


急に自転車に乗れるように、
ある日突然美味くなった。
何の前触れも無く、
しかしその頃はバーボンが主流、
大きな味の違いも香りの違いも無く、


実際よく解らなかった。
が、シングルモルトを口にした時の衝撃は忘れられない、
何だこれは?の連続だった。


数年が経ち、
誰もが通るアイラモルトの呪縛から開放された時の、
爽快感も忘れられない、
目を覚まさせたのは、
確か「マッカラン 25年」
鳥肌がたった。
ほとばしる香り、
一体何を飲んでいるのだ・・・
スペイサイドの奥深さを知った。


しかしまだまだ修験者、
死ぬまで修行の最中である事は間違いない、
これからも又、難しい人達をこの辺境の地で相手しなければ、
難しいのはただただ知らないだけなのだが、
若い女性がウイスキーが飲めるようになりたいと、


では水割りぐらいから、
「美味しくない」と、
「少し我慢しないと」と、
「我慢する意味が解らない」と、
「それよりイケメンが来ないじゃ無いですか!」
「・・・・」


イケメンを売っているのでは無い・・・
年配の方に多いのが、
「私は何を飲んでも違いが解らないから何でもええねん」
なら、何故BARに来るのか?


解りやすくお答えしょう、
松坂牛の専門店に肉を食べに行って、
「私は肉の違いが解らないから何でもええねん」
店員さんも戸惑うだろう、
と、言う事なのだが解って戴けるだろうか、
違いが解らないなら専門店に行く必要も無い、
BARは洋酒、ウイスキー、カクテルの専門店なのだ。
そしてその違いを一人でも多くの方に解って戴こうと、
日夜努力しているのだ。



まあ、そういう方にはとっておきのレシピを、
料理用ワインと鬼殺しを1:1で、
それを家で飲まれる事をお勧めしよう、
不思議な酔い方を体験出来る。


お酒は全て経験値なのだ。
年を取っていても一滴もウイスキーを飲んだ事の無い方と、
20代でも何十本もウイスキーを飲んだ方では、
経験値が違う、
スマホのゲームのレベルと一緒だ。


ゲームの中でレベルの高いプレイヤーなら、
例え小学生であろうと勝てない、
特に関西人は損をする事を嫌うが、
「損して得取れ」と言う言葉もある。
正にウイスキーはそれなのだが、


最後にこれは私が言っているのでは無いが、
雑誌に載っていたので、

チイチイパッパ、チイパッパ、
今夜もすずめの学校の先生は・・・