黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

酒通信 東京の味・・・

ブログの友人が、
ある飲み物の事を何度か記事に書かれていた。
名を「ホッピー」
ご存知だろうか、
実はこの飲み物を私は30年前から知っている。


少し関東方面に居た事がある。
千葉県流山市、
仕事の帰りに一軒の古びた居酒屋へ、
その店の壁に書かれていた「ホッピー」
注文すると、なんだか飲みやすく、
まだ成人したばかりの私には丁度いいぐらいの、
口当たり、確かご主人が力が付くと言って、


にんにくの芽を出してくれた。
それをアテにグイグイと「ホッピー」を、
グイグイと・・・
飲み過ぎた・・・
深夜から明け方に死の淵を彷徨った。


恐ろしい飲み物「ホッピー」
しかし関西では馴染みが無い、
その後「缶酎ハイ」が日本中を駆け回り、
その存在を忘れていたが、
数年前から大阪の業務スーパー等で見かける。


当店の裏にあるスーパーにも置いてある。
しかしそれ自体はお酒では無い、
これが意外と誰も知らなくて驚いたのだが、
この「ホッピー」なるものの正体は、
実はビールの代用品なのだ。

コクカ飲料株式会社
(現・ホッピービバレッジ株式会社)が1948年に発売した、
麦酒様清涼飲料水である。
解りやすく言えば、
ビールテイストの炭酸飲料なのだ。
当時、まだビールが高嶺の花だった。
今では考えられないが、


そこで、この「ホッピー」に焼酎を足し、
ビールもどきにしていたのだが、
この焼酎を足した状態が正確には「ホッピー」なのだ。
これが3度程大ブレークを起こす。
しかしそれは関東方面の話、


消費の主要エリアは東京・神奈川・埼玉で8割を占める。
故に「関東の味」「昭和の味」等と呼ばれる。
関西ではお目にかかれなかった。
関西では「酎ハイ」が流行した事も、
影響していると思うが、


この「酎ハイ」のルーツだが、
戦後のアルコールと言えば、
エチルアルコールや、
出所不明のカストリ焼酎、


これらは異臭を放つので、
梅やブドウシロップを入れて誤魔化していた。
その一つに赤ワインを酎ハイに入れた。
その名も「アカ」なる飲み物があったが、
その発祥は京都だ。


今は「黒ホッピー」なる黒ビールテイストもある。
割合は好みだが、5:1ホッピー5に対し、焼酎が1、
ホッピーの味をそのまま味わいたいなら、
すっきりした米焼酎麦焼酎がお勧めだ。

では何故「ホッピー」なのか?
これは創業者が、
「本物のホップを使った本物のノンビア」
の「ホ」と「ビ」を取って「ホッビー」だったが、
言いにくいので「ホッピー」となった。


まあ、ノンアルコールでビールテイストなら、
今巷に溢れている。
サントリー「オールフリー」もその一つだ。
ではその「オールフリー」にウオッカを入れてみれば、


いや、止めよう、
多分死の淵を彷徨うことになるだろう・・・
アルコールはほどほどに!
尚当店は洋酒専門店なので、
「ホッピー」はありませんあしからず・・・