黄昏ウイスキー  TWILIGHT WHISKY

大阪は京セラドーム前の小さな本格的BAR「BARin」の日記 

謎の韓国女性・・・

先日の早い時間、
初めてのお客さん、
海外の仕事が多く、
イタリア、スペイン、ドイツと、
色んな国に行かれているようで、
次々とお話しが、
その方がお帰りになり、


暫し静寂が、
その時、一人の女性が入り口に立っていた。
何かを言いたげな、
どうされましたと、
聞きに行くと、

「コーリア コーリア」
としきりに、
見た感じは確かに韓国の女性のような、
真面目そうで清純そうな、


凄いスピードで解りにくい、
英語で話すが、
聞き取れない・・・


要約すると、
何故かは解らないが、
ホテルが無いと、
しかもお金が無いと、


そう言って財布の中身を見せる。
確かに千円しかない、
道路で話すのも何なので、
店に入れて話しを聞く事に、


相変わらず早口で、
喋り続ける。
そしてしきりに困ったような顔をする。


関空までの電車賃しかないと、
三泊四日の旅行に来たと、
ん?三泊四日?
小さなポーチと、
肩掛けのカバンが一つ、


そこらじゅう歩き回って汗が出たと、
そういうので、おしぼりを出してあげたが、
使わない・・・
んん?


おもむろにカバンから地図を出した。
枚方に友達が居ると、
タクシーで幾らぐらい掛かるかと、
かなり掛かるだろうと、
言うとがっくりうな垂れた。


んんん?
なら、その友達に迎えに来てもらえば、
そして何故お金が無くなったのか、
それが一向に解らない、


んんんん?
結局はお金を貸して欲しいようだ。
韓国に帰ったら返すと、


誰も居なかったので、
私もカウンターに座ると、
カウンターの下で、
しきりにスマホでラインで会話をしている・・・


どうも何かの指示を受けているようだ。
たまたま手伝いに来ていた次女の美音が、
スマホで翻訳機能を使い、
逆に質問をし出した。


すると様子が急変、
何故かニコニコしながら、
「ステーション ステーション」と叫び出した。
表に出てこの路をまっすぐだと言うと、


「ありがとうございました」とカタコトの日本語を言うと、
凄い早足で、駅に向かって小さくなっていった・・・


可愛らしい顔をして、困った表情、
淋しそうな表情、色々と披露していたが、
もしか店内にエロ・・いや、
優しいおじさんのお客さんが居合わせたら、
幾ら貸していただろう・・・


これを一日に20軒ほど回れば、
一体幾らになるのだろう・・・


不景気とは次々と新手を送り出して来る。
恐ろしい世の中だ。
救いは娘にその現場を見せる事が出来た事、
お金はそんな手段で稼ぐものでは無いと、
人を見たら泥棒と思えと、
泥棒とは何もお金を盗むと言う訳では無い、




現に私達はその女の子に時間を盗まれた・・・
ご用心ご用心

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