買い物があり、久し振りに車を出した。
これだけ不景気になるとガソリン代もままならない、
が、まあ、仕方ない、
我が町の真ん中あたりに大きなシッピングモールがある。
そこで、買い物を、
帰りに同じエリアにあるスーパーに、
あれこれと、夕暮れ時、
少しお腹も空いたので、
お弁当でも買おうかと、
すると天丼が、290円、
魅力的だ。
しかし、以前食べた事があるが、
それなりの味だ。
すると、鮮魚コーナーに、
違う天丼が、380円が290円に、
かなり魅力的だ。
それを、手に取りレジへ、
車で食べようと、
しかし天気が良い、
ベンチで食べようかと、
腰掛けた。
すると箸が無い・・・
面倒臭いが、又、レジに戻った。
お茶を買い、改めてベンチに、
こんな事はしてはいけない、
北新地の時、年上の黒服の方に、
安い食堂に入っているのを見られ、
注意された。
ここは見栄の世界、
夢を売る場所、バーテンダーとは言え、
そんな安い食堂で食べていたら、
お客様の夢を壊すと、
いつも、どこで誰が見てるか解らない、
確かにそうだ。
現実、そうだった。
北新地の中に出来た安いチェーン店の食堂、
すぐに閉店・・・
客が来なかったようだ。
そういう事もあったな、
あの人どうしてるかなぁ?
あの人も、この人も、
急に来られなくなるお客さんも多い、
転勤で引越し、結婚、等など、
その時だった。
天丼をあれこれと探す時間、
箸が入っていなかった事、
全てこの時間に合わすような出来事が、
ベンチで腰掛ける私の前に、
奥様が、自転車に子供を乗せ、
こちらを見た。
ん?
ええーっ!
それは、ミナミに居る時からよく来てくれていた。
スナックのママ、
6〜7年ぐらい前から、
全く来られなくなった。
どうして居るかと、
思っていたら目の前にいる。
しかも、子供が・・・
結婚したんだ・・・
思わず、腰が浮いて近づきそうになったが、
それは、駄目だ。
暗黙のルールだ。
女性の場合、昔よく行っていた店等を、
旦那さんに話して無い事もある。
しかも、子供が既に5歳ほど、
話しが出来る。
夕飯の時、
あの男の人、誰?
等と話したら、ややこしい事になる。
話しはしたいが、やはり堪えた。
この仕事の宿命だ。
何度かこちらを見ていたが、
何も無かったように、
立ち去った。
この町にいるのか、
驚いたのと、
ベンチで安売りの天丼を食べている私を見て、
どう思われただろうか、
それが気になる・・・
しかし後姿を見ながらこう思った。
あの親子の歩く道がこれからも、
晴れている事を心から願うと・・・
ミントの香り漂う、
初夏の出来事だった。
幸せそうで良かった・・・
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