クリスマス・・・
風が冷たくなって来た。
もうすぐ、クリスマス・・・
この時期になると、
思い出す事がある。
子供の時、クリスマスになると届くものがあった。
クリスマスカードだ。
しかし、ただのカードでは無い、
板チョコになっている。
サンタや、トナカイ、クリスマスツリーが、
描かれていた。
小学校の低学年、それが届くのが楽しみだった。
毎年毎年、送られて来る。
送り主は、父の妹、私の叔母だ。
貧乏な長屋暮らし、そんな高価な物は、
クリスマスだけだった。
小さなカードが添えられ、
「メリークリスマス!」
と、書かれていた。
しかし、私も大きくなり、
高学年になると、
「又か・・・」
と、思うようになった。
最後には「もういいよ」と、
チョコレートぐらいでは、
喜ばなくなっていた。
あれだけ、小さな時に心待ちにしていたのに、
そして、小学6年生まで、
きっちりと、送られて来た。
叔母からすれば、
私のような、甥や姪等は、十数人いるのだが、
全てに送っていたようだ。
何故、それほどクリスマスに拘るのか、
これは少し大きくなって解ったのだが、
クリスマスは叔母にとっては、大事な日だったのだ。
叔母は清廉なクリスチャンだった。
そして、その意味も大きくなってから解った事だ。
久しくお会いしていない、
もう幾つになられたのか、
確か、85、86歳か・・・
どうされているだろうか・・・
今、振り返れば、
どんな思いで、叔母が送っていたのか、
どんな思いを込め、叔母が送っていたのか・・・
それに対し、「もういいよ」と、
思った。あの時の私・・・
今では、後悔しています。
叔母様へ
「メリークリスマス!」