黄昏ウイスキー 

大阪は京セラドーム前の大人の小さなBAR「BARin」の日記 

海岸通 1

あなたが船を選んだのは、、、
心に残るイルカの名曲「海岸通」
あえて、「風」バージョンで、



あいつは一体何だったのだろうか?
出会いは10代、高校生だ。
共通点が多く、中学時代剣道をしていた事、
身長、体重はほぼ同じだった事、
髪型も同じく、リーゼントだった。


お互い意識しあっていた事は確かだったが、
会話はなかった。
ごく親しくなったのは、高校3年生の春、
同じくクラスになった時だ。
激しい者同士だったが、ぶつかり合う事は無かった。


自然に幼少から、遊んでいた友のようになっていた。
クラスメートも皆良かった。
楽しかった。何百編、いや、何千編という、
分割写真が、脳の隅々まで散らばっている。
夏には、初めてサーフィンに行った。
何度も、何度も波に飲まれても、果敢にあいつは前を向いていた。
それを私は砂浜から見ていた。あのエネルギーがどこから来るのかが、
不思議だったのだ、、、


熱い男だった。どこまでも熱かった。
今なら、逆にKY扱いされるだろう、
私も熱い男のように思われるが、
いつも、どこか冷めている所があるが、
それがあいつには見当たらなかった。


どこまでも透き通るぐらい、熱い男だった。
嫌味がなく、さりげなく、人を馬鹿にしない、
そういう男だ。
そして、DNAの偉大さを知る事となった。
親父さんだ。あいつの親父さんに出会ってから、
物事の考え方が変わった。


高校生の私達と対等に話をしてくれる。
人の持つ可能性を微塵も否定しない、


私の父は、、、、
「まさお、裏ビデオお前の部屋に隠してくれへんか、
おかんに見つかりそうやねん」と、高校生の息子の
部屋に、自分の裏ビデオ、しかもSM物を隠す、
我が父、カツオとはだいぶ違っていた。
それはそれで、凄い父親なのだが、


ん〜意味が違う、、、、
面白かった。あいつの親父さんと話すのが、
良い事では無いのだが、
「男が酒飲まないで、話するとはどういうことや!」
と、いつも死ぬほど酒を酌み交わし語った。
この親ありて、この子ありなのだという事を、
思い知らされた。


体育祭、あいつは体育委員長、
徒競走のゴールで信じられないこけ方をしていた。
実に彼らしく、豪快だったが、あまりの衝撃に立ち上がれず、
ビリになっていた。


文化際、私が脚本を書き、映画を作った。
主人公はあいつだ。高校二年の時に私が作った映画で、
感動して泣く人が出て、かなり有名になっていたので、
二作目は凄いプレッシャーが掛かっていた。
あいつが居なかったら、出来なかっただろう、


文化際前、友人のライブをあいつと見に行った。
思わぬ事件が起こった。
私とあいつが、タバコを吸っている所を、
先生に見つかった。停学だ、、、


しかし何故か、あいつは停学にはならなかった。
文化際を数日後に控えた日、私はそれはそれで良かったと思った。
二人共停学になったら、文化祭が心配だ。
夜、電話が鳴った。あいつだ、、、、
自分が停学にならないのはおかしいと、
力強く語っていた。


私は、それでいいじゃないかと言った。
思いっきり、電話が切れた。
その日のうちに、あいつは友人に借りたバイクで、
何十キロも離れた先生の自宅まで行き、
ドアを叩き、お願いし、停学にしてもらった。


それを嬉しそうに夜中、電話してきた、、、
馬鹿な男なのだが、
あいつはそんな男だ、、、、